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【飯田橋】今、最も注目されているレストランINUA(イヌア) 前編

話題のレストランINUA(イヌア)へとうとう行ってきました。

 

 

世界のレストランベスト50では、4度も1位に輝き、

世界で一番予約の取れない店、コペンハーゲンにある「NOMA」

その姉妹店がイヌアです。

 

最近ではキムタク主演のドラマ、グランメゾン東京で有名になりましたけど、

1年前日本に上陸してからも、その名はどこへ行っても耳に入ってきました。

  

しかし突拍子もない食材を使い、時には「蟻(アリ)」を食べさせられるという

ネガティブな噂の方が先走り、 

 

・蟻に数万円も払えない

・肉や魚が少ない

・お腹が一杯にならない

・基本的に味付けが酸っぱい

 

といった意見と、

 

・単純においしいもんを食べたいなら、ステーキを食べればいい

・美食を食べつくしてきた人にしか分からない境地

・自分の今までの経験値が試される感覚。

 

などなど、意見が真っ二つに分かれています。

 

私も食べログなどで料理の写真を見ても味の想像がつかないし、

吉と出るか凶と出るかの料理に数万円もかけたくありません。

 

イヌアの情報をレストラン関係者から得ようと思っても、みなさん

「興味あるんですけど、まだ行ってません」と

二の足を踏んでいるご様子。

 

 

 しかし「先日行ってきましたよ。とてもおいしかったです」

と仰るのは、世界一のメートル・ドテルM氏。

 

「料理の説明を聞けば、ちゃんとコンセプトが分かります。

コンセプトが分かると、とてもおいしく感じますよ」と。

 

それならば、イヌアには長年お付き合いのあるスタッフがいます。

彼にしっかり説明してもらえば大丈夫か?

 

ということで、勇気を出して相方と2人で行ってきました。

 

そして相方がイヌアに行ったことをSNSに上げていたのですが、

感想がとても分かりやすかったので無許可で転載します。

 

 

 

「世界のベストレストラン50」で4度1位を獲得したコペンハーゲンの伝説的レストラン「ノーマ」
そこで活躍したシェフが東京に約1年前オープンした「INUA」
最近ではキムタクのTVドラマ グランメゾン東京で相手側「gaku」の料理監修をしたお店。
いろいろ評判(良くも悪くも)は聞いていたが初めて食べに行った。

そして衝撃‼️
有名なフレンチや高級日本食店でも料理を見ればある程度味を想像できることが多いが、INUAは全く想像できない、すべてが変化球、しかもかなり癖のある星飛雄馬並みの魔球
しかし全てがストライク、なんだこれ、暴投か?と余裕をもって見逃しても結局はド真ん中のストライク👍🏻
昔からの知人がサービススタッフで働いているので詳しーく料理を説明してもらえたが、説明なしでは料理の面白さが半減すると思う。
食後にキッチンのバックヤードや開発部屋なども見せてもらったが調理や食材・発酵方法など全てが斬新。
ちなみに写真1枚目右下の料理、キャビアの下に敷いてある白い布団のようなモノ、これに包んで布団ごと食べます。

おなか一杯においしい料理を食べたい方には向かないけど、これまで見たことも味わったこともない星飛雄馬の大リーグボール1号のような革新的な料理を試してみたい方にはお勧め🤩

 

 

 

絵文字多用がキモチワリーですけど、本当にこんな感じです。

初めてロブションに行って感動した体験を思い出しました。

 

とても長い記事になりますが、

しっかり説明を聞いてきたので、すべて記載したいと思います。

 

イヌアに行ってみたいと興味をお持ちの方も、そうでない方も、

すべての方のお役に立てれば幸いです。

 

 

 

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場所は飯田橋駅から徒歩5分くらい。

角川富士見ビルの9階にあります。

 

 

 

 

 

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角川ビルの正面玄関から入らず、横の方に行くと入り口があります。

 

 

 

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この自動ドアを抜けると…。

 

 

 

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長い廊下の突き当りにレセプションがあり、

ここで予約名を告げると、9階まで案内してもらえます。

 

 

 

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とってもめちゃめちゃ緊張していたのですが、

店内はとても明るくて、皆さんフレンドリー。

 

ミシュラン東京2020で、いきなり2つ星を獲得したので、

もっとキッチリしたイメージだったのですが、全然違います。

 

ドレスコードもないので、Tシャツにデニム姿の外人さんも多くいるし、

『家でくつろぐようにリラックスして過ごしてほしい』というのが、

イヌアの想いだそうです。

 

 

 

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オープンキッチンなので、シェフが指示する声。

それを「Yes!」とスタッフが元気よく返事する声が店内に響きます。

 

 

 

 

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キッチンスタッフもホールスタッフも外国人が多いので、

スタッフ間の公用語は英語だそうです。

お客様も日本人の方が少ない。

 

 

 

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こちらはウェイティングスペースになったり、

食後ゆっくり寛げるスペースになります。

 

 

 

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サービススタッフである知人とは1年ぶりくらいに会いましたが、

 「とにかく分からないことだらけなので、説明お願いします」と念押ししてから、

お料理スタート

 

 

 

ちなみに営業は火~土曜日がディナーのみ。

日月曜日が定休日ですが、不定期で日曜日にランチのみ営業しています。

 

 

私たちは、このランチに行きました。

ランチコース 19,800円

アルコールペアリング 28,000円

ジュースペアリング 25,000円

(税・サ込)

 

 

ペアリングをすべて飲みきれる自信がないので、

1人分をシェアしてもらいました。

 

 

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最初のシャンパン (もしかしたらこれは別料金かも)

 

 

 

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あん肝のテリーヌ ナツハゼのクリスプ

 

 

さぁ、さっそく謎のものが来ましたよ。

上から見ると、こうなっています。

 

 

 

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お皿の周りにある骨はアンコウの頭の骨で、

口の中を覗き込んで肝を見ているイメージのお皿だそうです。

 

真ん中にあるのは、カシスの果汁で作ったシート 

 

テリーヌがフワフワで、口の中であっという間に溶けていきますが、

あん肝の甘みは口の中に残ります。

そしてお皿の底にあるブナの実の食感と甘みも残ります。

この両方の甘さとカシスの酸が合う。

 

ふわふわとパリパリとブナの実のサクッとした食感も、とても良い。

 

これは分かりやすい味。

普通においしい。

 

聞いたところ、ブナの実はとても貴重だけれども皮をむくのが大変。

毎朝出勤してきた人から、皮をむく作業に入る。と仰っていました。

 

 

 

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かんずりにつけた季節のシトラス、昆布オイル

 

 

見えているのは、高知県産の水晶ブンタン かんずりにつけた昆布オイル

自家製ピクルス 自家製七味

 

かんずりとは新潟県の唐辛子だそうです。

 

味といえば…

文旦の酸味、昆布の風味、ピクルスの酸味、七味の辛味。

これがすべて合うんです。

不思議で仕方ありません。

 

一口ごとに、ピクルスの酸を感じたり、七味を感じたり

口の中が大忙しです。

そして味わいながら「お前は誰だ…?昆布か?」と頭がフル回転。

 

見た目だけで味は分からないのです。

集中して食べないと、この深い味わいは分からないし、

フレンチや和食のように、先が読めないのです。

 

 

 

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そしてこの料理に合わせたお酒が、これらの刺激を中和させてくれるんです。

酸や辛味など、それぞれ主張していた味が、一気にまとまっていく感じ。

 

 

 

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麹とキャビア

 

キャビアだー!」で驚いてはいけません。

驚くのはキャビアではなく、下に敷いてある布団のようなものです。

これは小麦粉をうどんのように練った後、麹菌で発酵したシートで、

これでキャビアをくるんで食べます。

 

ビックリですよね。

思わず「食べられるんですか?」と聞き返してしまいました。

綿か何かにしか見えないよー。

 

しかし麹菌の自然の甘さが存分に発揮されたシートで、

キャビアのプチプチ食感とシートのねっとり食感。

甘味も塩気もあっておいしい。

 

黄色いものはバターとカシスのオイル。

カシスは実ではなく、枝からオイルを作ったんだそうです。

 

 

新作だそうですよ。

 

 

 

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合わせたのはコチラ。

お料理は優しい味わいでしたが、こちらはパンチがありました。

うん、おいしい。

 

 

 

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熟成・燻製された舞茸、松の出汁と塩漬けしたサクラ

 

 

 

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これは、ドラマのグランメゾン東京で、玉森君演じる平子祥平が、

gakuを去るときに作っていった料理です。

 

…といって提供されました。( ´艸`)

 

そもそもイヌアのスペシャリテだそうで、

新潟県産の黒マイタケを5日間寝かせて3日間スモークしたものを

米麹のオイルと一緒に真空パック

土鍋に移して昆布出汁と味噌をいれ、オーブンで3時間火を入れたそうです。

 

まずなんといっても香りが良いです。

舞茸の香り、スモークの香り

味なんて匂いで分かるでしょ、絶対おいしいってって感じです。

 

スープも言わずもがな。

お代わりも含め、全部飲み干してきました。

 

これやばいぞ、ほんとに。

 

 

 

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塩味が足りない場合は、塩漬け桜を使用してくださいと言われましたが、

私は苦手なので使いませんでした。

 

 

相方は使ってましたけど、

「おぉっ!別の料理になる!」と喜んでいました。

 

 

 

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プラムレザーとフレッシュなアロマティックフラワー

 

さぁまた謎です。

難問です。

 

相方が「これは暴投か?と見送ったらど真ん中ストライクだった」って言ってたのは

たぶん、これの事だと思います。

 

一番下は蜜蝋です。

その上の赤いシートは、プラムのシート。

 

プラムはペクチンが多く、ゼラチンを入れなくても固まるので、

100%プラムでできているそうです。

 

 上のお花は、ローズ、マリーゴールド、レモンタイム

 

 

 

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くるくると手で巻いて食べます。

 

まったく味が想像できませんでしたが、 

100%プラムなので、まず強い酸が来ます。

酸っぱいです。

酸っぱいもの好きの私でも酸っぱいと思います。

 

でも蜜蝋の風味、お花の香りがその中から来ます。

すると何故か、野性味も来ます。

森の中で食べているような野性味です。

 

もしかしたら、ここで好き嫌いが分かれるかもしれません。

「これが料理なのか?」とか「酸っぱい!」と思ってしまう方。

「お花を食べるのが苦手」という方には難しいかも。

 

でも私たちにはストライクでした。

まさに暴投だと思っていたら、ド真ん中ストライク。

一口で物語が完成してしまう衝撃。

 

 

 

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合わせたお酒はシェヴェルニー。

ソービニヨンブランの深みと香りが、お料理の深みに合っていました。

 

これくらいパンチのある料理には、

包み込んでくれるようなポテンシャルのワインが必要ですね。

 

 

 

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白エビと麹のケーキ、発酵させた野生のハマナスを添えて

 

 

白エビは富山産。

麹ケーキは、麦を発酵して作ったもの。

エビとケーキの間には、ローズの花びらから作ったペーストと

メキシカンマリーゴールドが入っています。

 

 

これは先ほどのプラムのシートとは真逆です。

誰も主張してきません。

とっても優しく、さわやかに食べられます。

マリーゴールドや海老の甘味が「どうぞどうぞ」と味を譲り合っています。

 

先ほどまでフル回転させていた頭を、ここで一度休憩させられます。

分かりやすい味です。

 

 

 

 

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ハスの実とかぼちゃの種のシチュー、黒トリュフと炭火で焼いた薔薇

 

もう一度言います。

シチューです。

 

周りに添えてあるのは、味付けの仕上げ用です。

スプーンには黒トリュフのペースト、

ハーブのブーケは、10~15秒鍋をかき混ぜて香りを移し、

酢橘を絞って酸味を調節して食べます。

 

このなんだかよく分からないシチューが、

この日一番おいしかったです。

 

でも何がどう作用しておいしいのか、さっぱり分からないのです。

 

おいしいけど表現が難しい。分析できない。なんだこれ。

 

酢橘を入れると酸が立ちます。

私は酸が好きです。

でも違う。

ナッツが甘いわけでもなく、トリュフが際立って香ってくるわけでもない。

種の食感とお花の香りの調和?

 

一言で言ったら全体のまとまりだが、このうまみはどこからくるの?

誰か分析してほしい。

 

というわけで、前述の知り合いを呼んで解説してもらいました。

 

彼の説明によると

出汁はテンペウォーターがベースなんだそうです。

 

テンペとはインドネシア発祥のテンペ菌で発酵させた発酵食品(大豆)で、

日本ではインドネシアの納豆と呼ばれているそうです。

発酵させているので、うまみ成分が出ている。

 

そこにハスの実、トリュフの味わい、カボチャの種の歯ごたえ。

ハーブもグリルしてあるそうです。

 

そのすべてが合わさって完成。

 

お肉や魚のうまみは知っているけど、

テンペのうまみには初めて出会いました。

テンペ、すごい!

 

 

 

 

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合わせたお酒は、リースリングでした。

樽の香りが強いので、これくらい重厚じゃないと。

 

 

 

 

長くなったので後編に続きます。

レストラン記事が一つで完結できないのは初めてかも…。