国民的アニメ、サザエさんを見ていると、
波平さんとフネさんが
「アレ」だけで意思の疎通ができているシーンが時々ありますよね。
波平「かぁさーん、アレをアレしておいてくれ」
フネ「はい、分かりました」
みたいな。
子どもの頃は「こんなこと本当にあるのかな」
なんて斜に構えて見ていましたけど、相方と結婚して25年。
私たちも「アレ」だけで会話できるようになってます。
年齢的な問題で固有名詞が出てこなくなったという理由もありますけど。
京都2日目。
朝食は適当にコンビニでパン。
なんて思っていたのですが、せっかくの京都、
ちゃんとしたものが食べたいと相方から物言いがつきました。
相方「じゃアレは?」
私「あぁ、アレね、そっかアレだ!」
相方「お前マジで分かってるのかよ、アレだよ」
私「分かってるよ、京都で朝食って言ったらアレでしょ」
アレ ↓
京都は南禅寺近くにある400年の歴史を持つ料亭。
ミシュラン3つ星も獲得している瓢亭(ひょうてい)の朝粥です。
「瓢亭」というワードも「朝粥」というワードも
すんなり出てこない残念な中年夫婦。
瓢亭は以前、昼食、夕食で訪れたことがありますが、
どちらも記憶に残る、大変おいしいお料理でした。
朝粥も有名なので、
一度行ってみたいと思っていたのです。
通常は前日に予約なんてできないのでしょうが、
このコロナ禍、割とサクッととれました。
場所はこのへん。
行きはバスを利用しましたが、京都駅から約30分、230円
帰りはタクシーを利用して、京都駅まで約15分 2,000円でした。
次からは絶対に往復バスにします。
瓢亭には本館と別館があり、
朝粥は別館でいただきます。
朝粥ですが、冬期(12月1日~3月15日)は、鶉(うずら)のお粥に変わります。
のれんにも鶉とかいてありますね。
営業は8時から11時ですが、
コロナによって変更されている場合もありますので、
訪問される際は、ご確認ください。
着席すると、おもむろに御膳が登場。
これだけで何かが違います。
気品のある器がそう思わせるのでしょうか。
よくわからないけど。
お料理の説明がなかったので、想像で食べてまいりますが、
一番左のお浸しなんて、どうやったらこんなキレイな緑に仕上がるんだろう。
私が作ると、だいたい茶色になっちゃうのに。
ちなみに料金は@4,000円です。(税・サ別)
ちょっと高いけど、それに見合った価値は十分にありました。
瓢亭を語る時に外せないのが、この名物、瓢亭玉子。
このような茹で具合になっていて、一見普通のゆで卵なのですが、
これが非常においしい。
秘伝の技などないと当主は語っているそうですが、
なんでもない料理を当然のようにおいしくすることこそ難しいというもの。
そして鶉粥です。
このクラスのお料理になると、共通しているのは「塩加減」なのかな。
尖りすぎず、かといって物足りなくもない、いい塩梅。
素材に合わせた塩加減が絶妙とでも言うのでしょうか。
僭越ながら、そう感じた次第です。
これだけ印象的な朝粥は、今後も「アレ」だけで会話できそうな気がします。