誰にも教えたくないお店って、こういうお店を言うんだろうな。
と思えるお店に出会えました。
と言いながらも、最近は雑誌等々で取り上げられることも多く、
食通の間では話題になってるとかなってないとか。
一軒家の薪火料理のお店 Maruta(マルタ)です。
実はここ、自宅から近くて、しょっちゅう車で走っています。
おいしいものを求めて都心に出ることが多い中、
近所でこんなお店と出会えたのは、本当に嬉しい。
隣にある神代植物公園なんて、
こういう写真を撮りに年間パスポート持って通ってました。
因みにこの写真は、かなり補正をしています。
こういう雰囲気に仕上げるのが当時好きでした。
話をお店に戻して…
外観も素敵でしたが、店内もとても雰囲気があります。
店内の真ん中に陣取っている暖炉から、薪のいい香りがするし、
陽光が柔らかく差し込んでいるし、木のぬくもりも感じられます。
本当にここは調布なのだろうか?
つか、深大寺でしょ?
え?
お店のコンセプトは、ローカルファーストを大切にし、
地域の生産者から提供されるオーガニック食材や、
だそうです。
営業時間は、このご時世の影響か、変則となっているようで、
訪問時では、お昼頃から日没まで。
コースは12時から一斉スタートですが、
アラカルトは11時半からと、15時からで入店できます。
ところで、営業時間の「日没」って何時?
とお思いのアナタ、安心してください。
看板に、ちゃんとその日の日没時刻が記載されています。
ランチコースはデザートを含めた6皿で一人10,000円(税抜)
テーブルは5.5メートルもあるそうで、
ランチコースのお客様みんなで囲んでシェアします。
一斉スタートだというので、20分前に到着したら、
さすがに早すぎたのか、お庭を案内してくださいました。
けやきの木の下には、フキがたくさん生い茂っていますね。
春先には、フキノトウがここで採れたとか。
フキは、後々お料理にも登場します。
ローズマリーが群生しています。
私も育てたことがありますが、摘みたては香りが全然違う。
白い花は、ルッコラの花だそうです。
ルッコラは育てたことないなぁ。
菜の花も咲いていました。
時間になりましたので、着席します。
コースとは別料金ですが、お酒とは別に、ナチュラルドリンクも注文できるようです。
お庭の草花を使ったオリジナル。
そして大事なことを言うと、
着席時には、すでにテーブルにガス入りウォーターがセッティングされており、
これは追加料金が発生しません。
お代わりもできます。
これは高ポイント。
炭酸水がお代わり自由だなんて!
ナチュラルドリンクは自家製だそうです。
これは、庭の春の野草コンブチャ 1,200円
コンブチャとは昆布茶ではなく、発酵ドリンクの事だそうです。
使っているお庭の野草は、スギナ、ヨモギ、ハルジオン、ミント、ハハコグサ。
まったくクセがなくて飲みやすい。
様々な野草の香りがしますが、ミントがしっかりとまとめてくれています。
柑橘と発酵蜂蜜 庭のルタ 1,400円
これは柑橘がしっかりしていて、サッパリといただけました。
さっそく先ほどのフキが登場です。
お庭の自然をたくさんいただきます。
お魚料理は真鯵です。
神経締めで有名な長谷川氏と契約しているそうで、
都心のお寿司屋さんと同じクオリティの鯵だそうです。
添えられているのは静岡のイチゴ、お庭のセージ、ウド、セリ。
一口サイズなので、一口でいただきますが、
魚の中に入っているハーブがアクセントになって、
ねっとりした鯵が、よりおいしく変化していました。
次も魚料理で真カジキです。
これも長谷川氏から仕入れているそうで、
上にあるのは、お庭のハーブ、ウド、花山椒。
黄色いソースは、オランデーズソース。
真鯛です。
臭みが出ないよう、水分を抜いてから皮目をパリっと焼いてあります。
新玉ねぎサラダ、タラの芽などのお庭の山菜も添えられています。
自家製パンに、自家製発酵バター
結構重みがあって、しっかりとしたパンでした。
そしてバターがうまっ!
次のお料理はお肉です。
まずはセッティングから。
タスマニア・ブラックペッパーの削りたてを使います。
艶のある黒皿には、ノビルのフライと西洋わさびのピクルス。
そこにお肉が登場。
カッティングボードに乗っており、切り分けながらいただきます。
これで2人分。
とてもキレイに赤身が残っています。
うーん、うまい!
お塩と胡椒だけで十分です。
ソースとか、まったくもって不要。
藁の香りも程よいし、こんなに赤身が残っているのにちゃんと温かい。
これヤバいぞ。うまいぞ。
お肉を食べた後、メニュー表に目をやると「庭」と書いてあります。
お庭の野草を使った料理かしら?と思ったら
「お庭でお米を炊いているので、みんなで取りにいきましょう」と。
そっち?
やだ、なんか楽しいじゃない。
「行こう!行こう!」
というわけで、先程のお庭に出てきました。
一升のお米を炊いたので、これを皆さんでいただきます。
とな。
御飯のお供は、主に庭で採れた山菜を使用しているそうです。
これをみんなで順番に取って、ご飯ももらいます。
たったこれだけの事なのに、とてもおいしそうに見えます。
演出って大事。
お代わりしたら、おこげをもらえました。
ご飯を食べながらキッチンに目をやると、
炭火を使ってなにやら仕上げをしています。
しばらく見ていると、甘い香りが…。
そうです。
クレームブリュレです。
この焦げを炭火で付けていたようで、
食べるころには店内に甘い香りが広がっていました。
最後のお茶も、もちろんお庭のハーブを使ったお茶。
小菓子の金柑も、お庭のもの。
どこかで良いお店を見つけるたびに、
「うちの近所にあったらなぁ」と思っていた夢が、
とうとう叶った気がします。
都内の名店のように緊張することはないし、
今回はコースを注文しましたが、アラカルトだっていい。
なんなら自転車でだって行けちゃいそうです。
あんまり有名になってほしくないけど、なってほしいかも。
そんなお店のご紹介でした。
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