おいしい蟹を食べたい!
と豪語する割には、なかなか食事編に辿り着けず、
お部屋編、施設編と書いてきたわけですが、やっと食事編です。
すみません…。
しかし、その前にここまでの復習をさせてください。
宿泊予約はいつも通り一休.comからとったわけですが、
お料理には4種類のプランがありました。
・北陸・加賀の恵みで口福・眼福のひととき【旬の懐石】
・【タグ付きずわい蟹】の”茹で蟹”を甲羅酒とともに
・【タグ付きずわい蟹】を”焼き蟹”で味わう
・【タグ付きずわい蟹】を贅沢に味わう
この中の【タグ付きずわい蟹】を贅沢に味わうプランを今回はいただきます。
タグ付きのずわい蟹を”茹で”と”焼き”でいただきます。
宿泊費は2人で1泊2食146,000円(税・サ込)でした。
お食事は個室でいただきます。
天板は無垢材ですよ。
木の温かみが写真からも伝わってきますね。
達筆な文字で書かれた献立表と濡れ箸。
先付けは香箱蟹です。
この美しく仕上げられた、本物の香箱蟹をご覧ください。
香箱蟹はズワイガニのメスを指しますが、
蟹の身はもちろん、内子(卵巣)や外子(成熟した卵)もたっぷり入っています。
上は土佐酢のゼリー、花穂も散らしてあり、香りも良いです。
味はもちろん、文句なしにおいしい!
昨年、某旅館で食べた香箱蟹は、身が少ししか入ってなくて、
モチ米で上げ底されていたんですが、あれはいったいなんだったのでしょうか。
悪夢だったのでしょうか。
北陸の蟹はやっぱりおいしいんですね!
わざわざ来た甲斐がありました。
八寸
鮟肝しぐれ煮たたき長芋、鯖棒寿司千枚蕪
美しいですね。
もはや、この旅館で「美しい」は誉め言葉にあらずかもしれません。
でも言わせてください。
雲子(マダラの白子)は、紅葉や銀杏の葉に隠れてしまっていますが、
大きいものが2つも入っていて、食べ応え十分。
梅貝も鮟肝もそれぞれおいしいのですが、鯖の棒寿司がこの中で一番おいしかった。
鯖の締め具合と酢飯がちょうどいい塩梅でまとめられ、
千枚蕪でシャキシャキとした食感とさらなる酸味がプラスされて、
まぁおいしい。
お椀
蟹真丈、あわび茸、つる菜
このクラスのお宿のお出汁に、
私ごときが申し上げることはございませんので何も言いません。
造り
橋立港で水揚げされた、ズワイガニ、ひらまさ、くえ、甘えび
お薬味は、山葵と辛み大根
蟹をアップにしちゃってもいいですか?いいですね。
自家製の造り醤油と、能登の天然塩
お好みでお醤油をつけてもおいしいんですけど、
どうしてもお醤油が勝ってしまうので、私は塩一択でした。
ひらまさなんて、酢橘を絞って山葵を乗せて、塩を振って食べると極上。
しかしそれ以上に蟹がおいしかったとかいう情報はいらないですか?
いらないですね。
焼き物でも、ずわい蟹登場。
「焼き蟹」です。
「タグ付きずわい蟹」です。
きゃー!
しかーし。
ここで重大発表をします。
私は4年前まで蟹が嫌いだったのです。
しかしその4年前。
初めて北陸で食べた蟹がめちゃめちゃおいしくて、
めちゃめちゃ蟹好きになりました。
しかし、その後も蟹味噌だけは食べられないのです。
あの生臭さがどうしてもダメ。
写真ではお伝えしきれませんが、この蟹、かなりサイズが大きいです。
タバコの箱も500円玉も持ってなかったので、比べられなかったのですが、
私の手のひら…いや、そんなにはないか。
子供の手のひらくらいあります。
いや~…この蟹味噌はおぞましい。
怖いぞこれ。
「とてもおいしいので、これで食べられるようになるといいですね」
なんて仲居さんに言われながら、焼いた足を食べます。
蟹の足なんですが、ワタクシ蟹初心者なもので、
どうやったら美しく食べられるのか知らなかったのですが、
プロ=仲居さんに聞いてみたところ、
関節をポキッと折って、細い方の足を引っ張って筋を取ると、
そのあと身がキレイに取れますよ。
とな。
実際やってみたら、面白いほどキレイにとれます。
身離れが良いのか、指導が良いのか、私がエライのか。
それを再び塩や、蟹酢を付けて食べると、
甘くておいしいのなんの。
「じゃ、これは? これはどうやって食べるんですか?」
「それはグローブのようになっているので、
ポキポキ割りながら全部開くと食べやすいですよ」
うわ~。これもおっしゃる通り!
キレイに身が取れます。
この部位が蟹初心者には一番難易度が高く、
手がとても汚れたり、洋服にまで身がついたりするので、
私はすぐに挫折してしまうのです。
そうか、開けば良いのか。
一生懸命、蟹を焼いてくれている仲居さんに
「おいしいですぅ」なんて言いながら食べている間に、アイツが完成しました。
コイツ。
炭火でじっくりコトコト煮込まれていました。
「焼き終わりましたので、私は一度退室します。
ゆっくりお召し上がりくださいね」
と言って、仲居さんは去っていきました。
相方(夫)と二人きりになったので、遠慮はいりません。
感想を素直に言えます。
一口食べてみます。
「うえ~まずい~。やっぱり私に蟹味噌は無理だ~」
私の苦手な蟹の臭みがたっぷり。
無理無理。
しかし仲居さんが去っていく前に
「蟹身とかご飯とかと一緒に食べると食べやすいですよ」
と言っていたことを思い出したワタクシ。
やってみます。
うまい!
なんだこれ、めっちゃおいしいじゃないか。
蟹味噌のみが10点だとしたら、これはもう120点じゃないか。
何がこんなに違うんだ?
仲居さんが一口ご飯を置いて行ってくれたのですが、
これもうまい!
120点!
こうして私はまた大人の階段を一つ登り、蟹を制覇したのでした。
次は茹で蟹です。
【タグ付きずわい蟹】を贅沢にいただく
の”茹で蟹”です。
大きさは先ほどの焼き蟹と同じくらいあり、
かなり大きいです。
茹で蟹も、これまたうまい!
焼き蟹は半分以上生でしたので、刺身のような甘みを感じながら食べられたのですが、
茹で蟹は、また違った甘味があります。
食べ方も焼き蟹と同じです。
パキパキ割りながら食べていきます。
しかーし。
こちらの蟹味噌はどうやっても食べられなかった。
く…臭い…。
「え?全部食べていいの?」
蟹好きの相方(夫)は喜んでいましたけどね。
炊合せ
蕪風呂吹き、赤柚子味噌、鴨、小松菜
蟹の饗宴もそろそろ終わりですね。
と思ったら、最後に蟹雑炊が来たー!
まさに【タグ付きずわい蟹】を贅沢にいただく。
ですね。
プラン名通りでした。
水菓子
熟柿、リンゴコンポート、渋皮栗アイス、イチゴ、レモンゼリー
いやはやなんていうかもう。
蟹がすごすぎておいしすぎて、昨年の失敗がチャラになりました。
私、どうして4年前まで「蟹が嫌い」とか寝ぼけたことを言っていたんだろう…。
お部屋に戻ったら、きんつばが置いてありました。
翌朝です。
様々な大きさの器がキレイに並んでいます。
ほうれん草としめじの胡麻和え
炊合せ
玄関にあった温泉卵
シラス
お漬物
お造り山葵醤油和え(マグロ、かんぱち、クエ、イカ)
炊き立てご飯
シジミのお味噌汁
焼き魚(鮭)
お豆腐の湯葉あんかけ
シンプルなお料理が並びますが、
シンプルなお料理こそ難しいと思うのです。
夕食のような強烈パンチはありませんが、
どれもこれも滋味深くておいしい。
そして驚くことに、
すべて食べ終わると、こうやって器が重なるんです。
終わりに
なんと素晴らしい宿に出会えたことか。
お料理だけではなく、
サービスもとても良かったです。
さりげない会話、お客との距離感、お料理を出すタイミング
どれをとっても完璧、パーフェクト。
一人1泊2食ナナマンエンという高価格がネックですが、
次回はお部屋をもう少し安くして、
茹で蟹と焼き蟹のダブルではなく、
焼き蟹だけのプランにすると、もう少しお手軽に行けるのかな。
もう今すぐにでも再び北陸に行って蟹を食べたい気分ですが、
また来年のお楽しみということで、あらや滔々庵の記事は締めたいと思います。
お付き合いいただきましてありがとうございました。
次は金沢へ移動します。
予約は一休.comが便利です。
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