京都2日目の宿は、俵屋です。
俵屋と言えば、
「俵屋」「柊家」「炭屋」で「京都御三家」と呼ばれ、
西の「玉の湯」東の「あさば」京の「俵屋」で「日本を代表する宿」と呼ばれ、
いろいろなところで、様々な評され方をしている老舗宿です。
300年という歴史は、京都の宿では最古だそうですよ。
ひとつ前の記事の瓢亭は400年だし、俵屋は300年だし、
なんかもうケタが違いすぎますけど、
果たして私たちに300年の歴史は理解できるのでしょうか。
とっても不安です。
一歩敷地に入り、予約名を告げると
「お疲れ様でございました」
「ようこそ」
「ささ、どうぞお上がりください」
3人くらいの方から、熱烈歓迎を受けます。
そうか、これがスティーブ・ジョブズや
トム・クルーズもイチコロになったという接客か。
「ささ、どうぞどうぞ」と促され続け、
本日のお部屋に通していただいたのは、松籟(しょうらい)の間
本間は8畳次の間は3畳ほどで、掘りごたつが置いてありました。
まずは名物わらび餅です。
これ、おいしかったなー。
あとで名物だと知って、納得したものです。
お部屋にある掛け軸を気にしたことは、今までほとんどありませんでしたが、
ここは俵屋。
驚きポイントが掛軸にまで及んでいました。
これは俵屋でその日に展示されている美術品一覧なのですが、
上部に書いてあるのはパブリックスペースに。
枠内には、お部屋名と置いてある美術品が書いてあります。
私たちのお部屋には赤丸が付いているので、読んでみると、
作者:森徹山・松村景文、呉春賛
掛軸題:節分図
時代:江戸中
と書いてあります。
美術的なことはサッパリなもので、なんとお読みしたらよいのかすら分かりません。
作者の三人目の方は、もはや国籍すらお名前からは読み取れません。
江戸時代中期に書かれたことは何となく理解できましたけども。
それがお部屋の掛軸として使われているんですよ。
たかが一見さんのアラフィフ夫婦のために!
恐るべし300年。
こちらが掘りごたつ。
チェックイン時には、準備万端で温まっていました。
横にはお昼寝セットまで置いてあります。
「俵屋」の「T」が刺繍されています。
お庭にも出られるようですが、この日は雪がちらつくほど寒かったし、
お隣のお部屋が見えてしまいそうなので出ません。
眺めるだけでも美しかった。
靴下の柄がかわいい。
浴衣だけ置いてありますが、就寝時にはパジャマも準備されます。
冷蔵庫内はサービス
洗面所
俵屋のアメニティは人気があるらしく、
転売されることもあるそうです。
私「でも普通の品揃えだよ」
相方「石鹸だよ(一番上)あの石鹸が人気なんだよ」
使ってみましたけど、昭和から使い慣れた普通の固形石鹸でしたよ。
香りも懐かしい感じの。
私にはわからない良さがきっとあるんだろうな。
あぁ女子力が欲しい。
お風呂場にももう一個ありました。
京都なので、温泉ではありません。
そしてそんなに広くもありません。
老舗旅館では、そもそもが広く作ってないので仕方ないですが、
ほのかに香る高野槙が癒しポイント。
こちらもチェックイン時にはお湯が張ってあり、
すぐに入浴することができました。
300年の歴史がある俵屋。
お部屋の掛軸だけではなく、館内にも歴史的なものが展示されているそうなので、
先ほどの一覧表を手に、探検に出てみます。
こちらは庭座と呼ばれるところ。
小さいですが、お庭が見えます。
ちょっとした広さに見えますが、実際は狭くて入り口も低いです。
170センチの相方を立たせると、こんな具合。
巨人みたいだな、おい。
売店には「T」のマークが付いたグッズが、たくさん売っていました。
だんだん、この「T」マークに愛着がわいてきたぞ。
こちらは花座。
ここも狭いですが、特筆すべきはそこではない。
北大路魯山人の直筆だそうです。
天井が吹き抜けになっているので、明るく陽光が差し込んでいます。
玄関です。
こちらには立派な梅図の屏風がありました。
江戸初期のものだそうですよ。
写真がなんかもう、イマイチすぎるんですけど、
迫力が少しでも伝わるでしょうか。
ちょっと現代風の造りになっている図書室。
手入れが隅々まで行き届いているので、気持ちよく使えます。
探検をしている私たちを見つけて、宿の方が案内してくださったのは、
アーネスト・スタディと呼ばれるお部屋。
第11代当主、佐藤年の夫で写真家のアーネスト・佐藤氏の書斎を再現したそうで、
17時~23時まで利用できるそうです。
私たちしかいないのに「ゆっくりしていってくださいね」と、
電気をすべてつけ、暖房も全力で稼働させ、
宿の方は素敵な笑顔を残して去っていきました。
こんなところで仕事をしてみたいですね。
アーネスト・スタディから出たところ。
新しい部分もあれば、歴史を感じる部分もあり、
うっかり座敷童にでも出会いそうです。
次は食事編です。
俵屋のお食事ですよ!
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