前回の記事の続きです。
俵屋と言ったら、300年の歴史もさることながら、
接客、サービス、どれをとっても一流の気品があふれていますが、
お料理の評判もとても良い。
仲居さんに伺ったところ、今年60歳になられるという板長は、
30年も俵屋の味を守ってきているそうです。
18時スタートでお願いしましたが、
食卓の準備、お酒を注文するタイミング、持ってくるタイミング。
どれをとっても隙がありません。
宿泊した日は、年が明けて間もない頃でしたので、まだお正月仕様です。
「寿」の文字は、一枚一枚、板長さんの手書きだそうですよ。
お料理は「松」に見立てた慈姑
「梅」に見立てた人参
「松竹梅」の完成。
めでたいです。
すったハスを蒸した、蓮蒸し。
中にはノドグロと舞茸が入っています。
実はこの日の朝食は、
瓢亭の朝粥を食べてましてね。(記事はコチラ)
えぇ三ツ星のあの瓢亭。
絶品だったものですから、舌が肥えてしまって
おいしくなかったらどうしよう。
なんて考えていたんですよ。
でも全然違う。
おいしい。
間違いない。
相変わらずの語彙力で申し訳ないのですが、
瓢亭は瓢亭で素晴らしかったし、
俵屋は俵屋で素晴らしいお味でした。
ふぐ刺しと伊勢海老です。
高級食材の競演です。
真ん中にあるのは鉄皮。
胃袋や腸も刻んであるそうです。
伊勢海老は、味噌醤油を使っていただきます。
ふぐは、わざわざ臼杵のふぐを食べに大分に行くくらいなので、
やっぱり臼杵の方がおいしいです。
これは仕方がない。
伊勢海老は、ねっとりとして甘く、
味噌醤油と合わせると、さらに甘みが増してきました。
湯葉茶巾です。
中には、キス、蟹、ゆり根、銀杏などがぎっしり入っていました。
高級食材が並びますね。
観光客が激減しているので、
良い食材が手に入りやすいんだそうです。
ちょっとこれ、写真めちゃめちゃ良くないですか?
取り箸がなかったら、なお良かったですけど、
お皿もキレイに輝いているし、お魚がおいしそうに写っていますね。
肝心のお料理ですが、お魚は鯛です。
鯛の木の芽焼きです。
わーぉ。まだ高級食材が続きます。
目の部分と口の部分があり、
唇はプルプルしててコラーゲンたっぷりだというので、私がいただき、
DHAたっぷりの目を相方が食べました。
適材適所です。
赤い器に白。
目出たいし、キレイですよね。
蓋を開けた時、感嘆の声を上げてしまいました。
強肴
お魚は「ぐじ」
周りは湯葉です。
吉野酢と切りごまで仕上げてあるので、
どちらも良い香りがします。
最後はご飯と赤出汁です。
ぬか漬けは浅めに漬けているそうで、
味が足りなければ生姜と醤油を追加してお召し上がりください。
とのことでした。
板長が好きな食べ方だそうですが、
真似してみたところ、漬物と生姜が合う!
そこにお醤油で、塩加減を自分好みにする。
これだけで立派な一品でした。
みかんゼリーです。
葛を使って固めているので上品な味です。
食事もそうですが、お皿も美しいものばかり。
こだわりもあるそうで、お皿の説明もその都度してくれましたが、
美術品なのかな?
どうなのかな?
聞いたら怖くなりそうなので、質問しませんでした。
お料理のタイミングもピッタリで、
お椀の蓋をしめたとたん、ドアをノック。
なんてこともありました。
300年の歴史は、こういう経験値もしっかり継承されているんですね。
私たちは食べるのが遅い方なのですが、
経験と勘でタイミングを決めるのでしょうか。
すごいなぁ。
お布団を敷いていただきましたが「あさば」によく似ていました。
あさばとは…
※日本を代表する宿として「西の玉の湯」「東のあさば」
「京の俵屋」と評されているそうです。
敷布団がすごく厚い。
そして枕2個の置き方も同じ。
あさばが真似をしたのか、俵屋が真似をしたのか、ただの偶然か。( ̄∇ ̄)
あと、あさばと同じサービスといえば、もう一つありましたよ。
チェックアウトしたあと、靴を履いたら温かいんです。
もう一回言います。
温かいんです。
靴が。
きっとどこかで温めているんでしょうね。
どっちが真似をしたのかも気になるところですが、
これは早急に玉の湯にお伝えせねば。( ̄∇ ̄)
翌朝です。
雪がちらついていましたが、
全然写真に写ってないですね。
お膳の支度ができるまで、ドリンクをいただきながら待ちます。
飲むヨーグルト、オレンジジュースから選べました。
梅干しもありますよ。
和食と洋食から選べるそうですが、
昨晩のお食事がとてもおいしかったので、迷わず和食を選びました。
本間で食べるのなら、布団をあげてもらわなければなりませんが、
私たちはそのままにしておいてほしかったので(食後ゴロゴロしたい)
次の間(こたつ)でいただきました。
お魚も、カレイ、鯵、塩鮭から選べました。
写真は鯵です。
ハタハタも添えてあります。
湯豆腐
二人分ですが、たっぷり入っていました。
感想
前の晩と接客が同じ仲居さんだったのですが、
この方がとても朗らかでしたので、
緊張せずに過ごせたのがとても良かったです。
逆に、300年もの歴史ある宿に泊まらせていただき、
私たちはちゃんとお行儀よくできたでしょうか。
いつか深みのある大人になることができたら、もう一度俵屋に挑戦して、
展示してある美術品を見てみたい。
そして北大路魯山人直筆の扇子を見て、
「これは魯山人が若い時の文字だね」とか言ってみたい。
違いの分かる大人になりたい。
あ、いいなそれ。
がんばろ。
チェックアウト後は、伏見稲荷大社へ行ってみました。
普段は観光客であふれかえっている、あの伏見稲荷です。
今までインスタで何度も見てきたこの写真を撮りたかったのです。
同じように撮れているかな。
2泊3日の旅行記はこれで終了です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
旅行の目的は三輪神社です(キリッ)
とかいいつつ、写真は一枚もありませんでしたけど、
その辺はえぐらず、生暖かい目で見守っていただければ幸いです。
では!
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